料理は素材選びから始まっている。どこでどんな野菜をゲットするかで、その日の夕飯の点数は何倍も美味しくなる!そんな信念をもつ野菜好きの私が、愛する、小さなお店を紹介します。
場所は伊豆松崎。私自身は横浜育ちの東京住まいですが、両親とも伊豆出身で小さな頃から故郷のような場所。今も別宅があり足繁く通う場所。
松崎の花畑の前に佇む、小さな小さな直売所。「桜田より道販売所」。
車で通ると見過ごしてしまいそうなほど、ささやかなお店構え。でも、この扉を潜るとき、私のときめきは最高潮。「今日はどんな野菜と出会えるかな」と胸が高鳴る。お店を巡りながら、その日のレシピを考えるのが最高の楽しみ。伊豆に滞在する間はまいにち通いつめ、その日食べる分の野菜を買うのがMYルーティーンなのです。
最初に目に留まったのはとれたてのグリーンピース!サヤまで剥いてくれているのが嬉しい。今日は豆ご飯に決まり。
たけのこだって下茹で済み。あい子さんありがとう。都会じゃ買えないお値段にも毎度感動。
この、本物のところてんは絶対に伊豆でしか出会えない。このところてんを食べると、もう市販のところてんが食べられないほど。甘党の私は、酢醤油よりも、きなこ砂糖を絡めて食べる派です。しかし年々、天草が獲れなくなっているそう。私が気候変動や環境破壊に人一倍胸が痛むのは、ところてんへの愛も関係している。
地元の方の作った、ホームメイドマーマレードは冷蔵コーナーに。伊豆は柑橘の名産地なので、冬には本当にたくさんの柑橘が実る。だからジャムにも果肉たっぷり、甘さも控えめでとってもおいしい。ちなみに私は「飯田さん」の作るマーマレードのファンで名前を見つけたら必ず買う。
そして5月の伊豆でのマストバイ、ニューサマーオレンジ!
おじいさん(推定)の手書きの筆文字が、すごく良い。これこそ素晴らしいパッケージデザインだ、とアートディレクターの観点でもこの文字のクリエーティビティにいちいち感動。感動しながら、東京に持って帰れるだけ、できるだけたくさんのニューサマーを買いこむ。
新鮮な平飼いたまごはキャロットケーキに使います。
そして手作りのお惣菜。地味だけれどやさしくて、ほっこりする味わい。いつも買うのは卵焼き。甘みとしょっぱみの加減が絶妙に私にフィットして、自分の中に伊豆のDNAがあるロマンを感じる。こうゆうものって、都会じゃ絶対出会えない。
隣の工房では地元の方々が大福を作っていた。楽しそう。私も混ざりたい。
「恥ずかしいよ〜」と言いながら笑顔をくれる。かわいいな。
こうやって、顔の見えるひとの作るものは、心からおいしい。当たり前のことだけれど、都会にいると案外忘れてしまう。顔の見えない誰かが作った食事を安く済ますことが簡単にできてしまうから。都会で育った私だから、田舎を過剰に美化してしまうところもあるかもしれない。若い頃は田舎に帰ることを退屈に思うことも勿論あった。でも、やっぱり田舎でしか味わえない素晴らしい豊かさが確かにある。
田舎にだって数は少ないけれど素敵なカフェもあるし。この日は地元で人気のsatouyaのケーキをいただいた。都会のパティスリーに負けないお味、というかむしろお店の雰囲気を含めたらこんなお店は都会には無い唯一無二のおいしさだ。実はsatouyaのほかにも紹介したいオススメのカフェやグルメがたくさんある。また今度、夏に来たときに、紹介します。
ハワイの海も好きだけれど、やっぱり伊豆の海こそ、オレの海。小さな頃から、人生で一番泳いできた。今年の夏も、毎日海に飛び込むぞ。年齢に似つかわしくない遊びを続けます。いつまでも、こどものままのハートでいられる、そんな大切な場所があることに感謝を込めて。お墓参りも行ったよ。urara