5月の伊豆の別宅で過ごしています。ご近所に住むハツエさんのレモンの木。そろそろ終わりかけのレモンがちらほら。野放しで何の手入れもなしに、毎年レモンが元気に実るそう。当たり前に無農薬という贅沢。
いつもブルーベリージャムやレモンカードをお裾分けくださるハツエさん。聞いてみると、ハツエさんは実は昔パティスリーでも働いていたお菓子作り名人でお料理のレッスンも開いている。「レモンカードを一緒につくらない?」と嬉しいお誘いをいただいた。
ということで、ハツエさんのキッチンにおじゃま。伺うと、すでに下準備が始まっていた。
レモンカード作りは段取りがすべて!だそう。2チームに分かれます。レモン絞り器でレモンを絞る力仕事チーム。
そして、バターを湯煎するチーム。ハツエさんのディレクションのもと、みんなで工程を進めていく。
卵を割るハツエさんの手さばきに惚れ惚れ。さすがパティスリーでの経験値。
バター、お砂糖、裏こした卵を湯煎にかけてとろみがついたら、レモン汁を加えます。工程の隅々に、プロとしての知見がある上で、家庭での「手の抜きどころ」を教えてくださるハツエさん。
最後にレモンの皮のすりおろしでフレッシュさを加えて完成。
みんなで作ると、あっという間。出来立てを味見すると、フレッシュで爽やか、コク深くクリーミー!何という美味しさ。
「でもダメよ、味見しすぎるとものすごーく太るから!」とハツエさんの一言にハっとして、味見をグっと我慢。その正直な忠告が最高だ。
瓶に入れて、お土産にもいただいた。ハツエさん、素敵なレシピと自然の恵み、ごちそうさまでした。
そして数日後、東京のキッチンで、思いつきで焼いたニューサマーオレンジのスコーン。
目分量でレシピもナシに、ワイルドに、皮ごとスコーンにしちゃった。小麦粉よりも多めのニューサマーを使ってるから、カロリーもきっと半分だろう!と信じて、レモンカードをつけていただきます。
さすがに苦味が気になるかな・・・とおそるおそる食べたけれど、アレ?美味しい。苦味はどこへ?
練り込んだの皮の食感も気になるかと思いきや、レモンカードが包み込み、案外気にならない。柑橘のフレッシュな香りに包まれる。夏が来る!!!とワクワクもいっきに高まる。「ニューサマーオレンジ」。そうか、この名前に私は惹かれているのかも。大好きな夏の始まりを教えてくれる、特別な柑橘。でも一瞬で終わってしまう儚い柑橘。柑橘の季節が終わっても、しばらくはこの瓶詰めにときめきが保存されている。ときめきと思い出がいっぱいの瓶詰め。来年もまた作りたい。urara