夏に繰り返し焼きたくなる、ズッキーニのふんわりベイク。
立派なズッキーニと目が合ったら、無性に焼きたくなる、ズッキーニケーキ。
去年の夏、食べた瞬間に恋に落ちたズッキーニケーキ。
「え?美味しいの?」。きっとそう思う人も日本ではまだまだ多いニッチなケーキ。そう、私もそう思っていました。「キャロットケーキは大好きだけど、ズッキーニはちょっと・・・ね・・・」と。
しかし。ひとたび焼き出すと、その手軽さと美味しさに夢中になっちゃったズッキーニケーキ。海外では「コジェットケーキ」と呼ばれる夏に人気のベイクなのも、納得!
今年もズッキーニのシーズンが来て、嬉しくてスーパーでズッキーニを見つけるたびに、小躍り。味はもちろん、ズッキーニケーキを焼くのが好きな理由はもう一つ。
それは、「しりしり心地」が、素晴らしく気持ち良いこと。
にんじんに比べて、柔らかいズッキーニは、しりしりする時も、力要らず。あっという間に、ふわっと大量の千切りズッキーニができちゃいます。
調子に乗って、いくらでもしりしりしたくなる。そんな使い心地。1本でいいところを、2本もしりしりしちゃいました。ケーキに使いきれず、余った分のズッキーニは生でどうぞ。フレッシュで歯応えがあって美味しい、キュウリの3倍のカリウムも入ってるから、むくみもとってくれるよ。
しりしりができたら、ケーキの生地を作りましょう。
たまご2つ、オリーブオイル、きび砂糖。お塩は3グラム。泡立て器でよく混ぜて。
たっぷり250gのズッキーニを入れます。大きめのズッキーニ約1本分。(小さめだと足りないので、2本ご用意を)
野菜ケーキをふんわり焼き上げるコツは、まず、野菜の分量をきちんと計量すること。毎日、私自身、10g単位で野菜の量を変えて研究を続けるとわかるのですが、10g増えると「ベチョっと」しがち。逆に20g減ると生地がパサつきがち。「野菜たっぷり&オイル控えめ」にとことんこだわる私が、たどり着いた分量です。とはいえ、野菜の個体差もあるし、お好みで自由にアレンジを楽しんでくださいませ。おうちベーキングは気楽に焼くのがいちばんだ。
今日はここに、スパイスケーキミックス1/2袋を投入。ラクチン!全粒粉とスパイスの香りがふんわり。
ゴムベラでさっくり混ぜ合わせて、パウンド型に流し入れ、180度で45分。
ふっくら、ずっしり、お野菜ナシでは作れない、なんともいえないこのボリューミーなボディに焼き上がりました。
よく冷めてから、ヴィーガンクリームチーズでお化粧をしてカット。ふんわりと軽い食べ心地。全粒粉の香ばしさが、ズッキーニの青っぽい香りをうまく打ち消してくれる。キャロットケーキのために開発したスパイスが、まさかこんなにズッキーニケーキを引き立ててくれるなんて!
また別の日は、マフィン型で。
クリチの上から、カルダモンプリンセスを振りかけて、スパイシーに。
「キャロットケーキにはシナモンを!」
ズッキーニケーキにはカルダモンを!」
これが、urara的、スパイスコンビネーションの鉄則です。
こちらはさらにチョコチップを入れてみたヴィーガンバージョン。
ピリッと華やかなカルダモンの香りの中で、チョコレートのパンチが加わって、やみつきの美味しさ。生地にピーナッツ粉も練り込んでみたので、香ばしさがさらにアップ。
ココナッツチョコクリームもよく合う。ズッキーニケーキへのスキを込めて、チェリーもトッピング。
と、意外にも包容力の高い、ズッキーニケーキ。夏の間は、キャロットケーキに負けないくらい、焼くことになりそうです。
そうそう、マフィン型も、夏にはおすすめのベーキングアイテムです。パウンド型よりも短い時間で手軽にやけるから、暑い日でもおすすめ。そして、ブリキ製だから、中までじっくり火が通り、ふんわりと美味しく焼けるのです。水で濡れたまま放置するとすぐにサビてしまうので、基本は洗わずに汚れは拭き取りで。洗う場合は、洗剤は使わずに、すぐに水気を拭き取り、できたらオーブンの余熱で完全に水気を飛ばすのがおすすめ。
使うごとに、変色し、油が馴染み、いい味になっていくブリキのマフィン型。使うごとにくたびれていく、プラスチックにはない味わいのある道具。
この道具を購入したときに、道具屋さんから告げられたアドバイス。「道具を育てる気持ちでお使いください」という一言。マフィン型をみるたびに、その言葉を思い出す。道具を育てながら、私自身も育ってるかな?きっと誰も気づかない、でも私だけが気づく、「昨日よりちょっと美味しく焼けた!」の達成感。そんなささやかな達成感を積み重ねながら、密かににんまり。孤独なキッチンで、レシピはずっと変わっていきそう。と、いうわけで、ひとまず2023年6月の、マイベストズッキーニケーキのレシピです。
カルダモンプリンセスで作るスパイシ-ズッキーニケーキのレシピ
材料(パウンド型18cm)ボウルA全粒粉薄力粉 140g重曹 小さじ1/2カルダモンプリンセス 小さじ1/2~1ボウルBズッキーニ 250g(大きめ約1本/小さめなら2本)たまご 2つオリーブ油 40gきび砂糖 40g天然塩 3g
トッピング:チョコチップを生地に入れたり、ヴィーガンクリームチーズなどをお好みで添える。作り方下準備:オーブンは180度に温めておく。パウンド型にオーブンシートを敷いておく。1 ボウルAで粉と重曹を混ぜておく。2 しりしり器でズッキーニを細切りにする。3 ボウルBのズッキーニ以外の材料をすべて泡だて器で混ぜ合わせる。ズッキーニを入れたらゴムベラに持ち替えてよく混ぜる。4 ボウルBにAの粉を2回にわけて入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜる。5 型に生地を流し入れる。6 オーブンで180度45分ほど焼き、真ん中に竹串をさして生地がつかなければOK。7 オーブンシートを外し、網の上で冷ます。8 お好みでクリームチーズをそえて召し上がれ。夏場は冷蔵庫で2日ほど保存。冷凍の場合は粗熱が取れてからラップでくるみ、冷凍保存。自然解凍で食べるのがおすすめ |