発酵キャロットケーキのレシピ

発酵キャロットケーキのレシピ

ノンシュガー&ノンオイル&グルテンフリー!発酵のうまみたっぷりのキャロットケーキを召し上がれ。

キャロットケーキ研究を始めて約6年。書籍「まいにち食べたいキャロットケーキ」に載せた基本のレシピは、もちろん私の中の一つの完成系ですが、書籍からはみ出して、またひとつ自信のレシピができました!

その名も「発酵キャロットケーキ」。

発酵させてたにんじんをたっぷり入れたキャロットケーキ。

しかも、ノンシュガー。ノンオイル。グルテンフリーと三拍子揃ったハイスペックな配合。最高にヘルスコンシャスなレシピです。

「ヘルシーだと美味しさも半減するのでは?」と疑うひとにこそ食べさせたい新鮮なおいしさ。からだだけでなく、心まできっと満たされるはず。自分だけでなく、家族や大切なひとに、今すぐ「これ、まいにち食べて〜!体にいいから!」とおすすめしたい。

そのうえ“発酵”キャロットケーキといえど、作り方はとっても簡単。ヨーグルトメーカーなどがなくても、炊飯器があれば発酵できちゃう。ミキサーやフードプロセッサーがない場合は、すり下ろし器でもOK!ケーキ型もどんな形でも焼けます。

必要なのは発酵を待つ時間だけ。と言っても、ほっとくだけですが・・時間だけは早送りできないので、気長にゆっくりと、キャロットケーキづくりを楽しみましょう。待ち侘びる時間も、おいしさのスパイス。

 

「発酵キャロットケーキ」のレシピ

まずは生地のベースになる「発酵にんじん」を作ります。はじめて発酵料理をする方は、「発酵にんじんのレシピ」に、詳細の解説付きの詳しいレシピがあるので、予習をどうぞ。

 

材料:(18cmパウンド型1本分)

材料A(発酵にんじん)

□にんじん(皮ごと小口切りorすりおろす) 150g

□乾燥米こうじ 50g

□レーズン 50g

□浄水  100g

□塩 2g

材料B

●製菓用米粉 80g

くるみ(細かくパウダー状に刻む)60g

●卵 1つ 

●重曹  小さじ1/2

●ベーキングパウダー  小さじ1

●シナモン 小さじ1~2

 

材料について:●米麹は使いやすく保存しやすい「乾燥麹」で作るレシピです。麹のタイプによって水分量は調整してください。●レーズンはオイルコーティングのないものを使います。

 

作り方:

①発酵にんじんを作る

ミキサーに(ブレンダーやフードプロセッサーでもOK)にんじん、麹、お水、塩を入れて、よく撹拌させる。にんじんの水分量や、使う麹のタイプに合わせてお水の量が足りないようであれば、大さじ1ずつ、増やす。

※すりおろし器を使う場合は、すりおろしたにんじんに、麹と水と塩を混ぜればOK。

②ガラス瓶にうつしレーズンを加える

ガラス瓶の中に、①と、レーズンを入れて、よく混ぜる。

③炊飯器で6〜8時間ほど発酵させる

炊飯器の中に1枚の布を座布団のように敷き、ガラス瓶をのせる。さらにもう1枚の布でガラス瓶を包み、炊飯器の蓋を開けたまま「保温モード」で6~8時間ほど発酵させる。

(ヨーグルトメーカーや発酵調理器は55~60℃で同時間発酵させる)(ガラス瓶の代わりの耐熱タッパーや保存袋でもOK)

 

④発酵にんじんを、よく冷ます

8時間ほど発酵させ、少量味見をし、ジャムのようなしっかりとした甘みを感じたら完成。甘みが足りない場合は、スプーンで全体を軽くかき混ぜてから、発酵時間を追加する。完成したら、常温で粗熱が取れるまで待つ。粗熱が取れたら冷蔵庫にて3日ほど保存可能。

※味見はごく少量、小さなスプーンひと口ぶん。生地に使う分の発酵にんじんが減らないように味見のしすぎには注意。

⑤ケーキを焼く下準備をする。

フードプロセッサーや包丁で、くるみをなるべく細かく刻む。型にオーブンシートを敷く。オーブンを180℃に余熱する。

※このタイミングで上記3つの下準備を済ませ、スムーズに生地を焼けるように準備する。

⑥粉類を合わせる

ボウルに、製菓用米粉80g、刻んだくるみ60g、重曹小さじ1/2、ベーキングパウダー小さじ1/2、シナモン小さじ1/2いれ、泡立て器でよく混ぜ合わせる。

⑦別のボウルで卵を泡立てる

先ほどと、別のボウルに卵を割り入れ、泡立て器でよく混ぜる。

 

⑧発酵にんじんを加えてさらに混ぜる

全量の発酵にんじん(約310g)を加え、 よく混ぜ合わせる。

⑨粉類を加え、ゴムベラで混ぜる。

ゴムべらに持ち替えて、⑥の粉類を加えて、手早く混ぜる。粉気が無くなるまで、スピーディーによく混ぜ合わせる。

●ここから生地の化学反応が始まっているので、オーブンに入れるまでなるべくスピーディーに進める。そうすることで「生地が膨らまない」よくある失敗を防ぐ。●米粉の代わりに小麦粉で代用する場合は、混ぜすぎると膨らみが弱くなるので粉気が残る程度でストップする、

⑩170℃〜180℃のオーブンで約45分焼く

パウンド型に流し入れ、生地の表面をゴムべらでならす。180℃に余熱したオーブンを170度に下げてから、45分ほど焼く。真ん中に竹串をさし、生地がついてこなければ焼き上がり。

※180℃で10分焼いた後、170℃に下げてさらに30分焼くと、より膨らみが良く上手に焼ける※焦げやすい生地なので、オーブンに合わせて温度は低めに設定する。使用するケーキ型のサイズに合わせて、焼き時間は調整する。※Romantic Foodiesビックサイズのマフィン型の場合、170℃で23分ほど焼く。

焼き上がったら、すぐにオーブンシートごと型から外し、網の上で冷ます。

※オイルが少ないためオーブンシートは生地にくっつきやすい。最初から無理にシートを剥がさず、ケーキが冷めてからシートを外す。

粗熱が取れたら完成

粗熱が取れてから、食べる分を切り分ける。

 

お好みでフロスティングをのせて

市販のヴィーガンクリームチーズをそのままのせて。甘いフロスティングがお好みの方は、クリームチーズに対して半量の粉砂糖を加えるとこっくりと甘く仕上がる。 

 保存について
粗熱が取れたら一切れずつラップに包む。夏場は冷蔵庫の野菜室で保存、涼しい日は常温で保存し、翌日までに食べ切る。冷凍の場合は1ヶ月ほど保存可能。冷蔵庫でひと晩ゆっくりと自然解凍して食べる。※フロスティングを載せた場合は常温保存不可

 

さて、美味しく焼けたでしょうか?

パサつきを感じなければ大成功!にんじん、レーズン、麹がまさに三位一体、しっとりジューシーな生地をぜひ味わってください。うまみをたっぷり含む「発酵にんじん」の水分のおかげで、オイルを使わなくてもしっとり。くるみをたっぷり使って、香ばしくスパイシーに仕上げました。お砂糖を使わないのに、とっても甘い仕上がりにきっと驚くはず。注意したいのは、ちょっと焦げやすい生地なので、オーブンの温度と時間を、低め&短めに設定してください。しっとり系の生地なので「生焼けかな?」と不安になっても、竹串に生地がつかなければ焼けているので大丈夫。

グルテンフリーなので、膨らみは少なめですが、その分しっとり、ぎゅっとしたおいしいさ。そうだ、最後にそ一つ、大きなポイントを。米粉は「製菓用の米粉」を使ってください。

 

共立食品の「米の粉」は焼き上がりがふんわり上手くいくので、オススメ。米粉の選び方で味の8割が決まると言っても過言ではないほど味を左右する米粉選び。料理用の米粉を使うと、生地が硬くなり、モソモソすることも。

※生地が硬くなってしまった場合は生地に豆乳やヨーグルトを大さじ1ほど加えて生地感を調整する。

ちなみにこちらは、「刻みくるみ」の代わりに、「ピーナツ粉」を使ったバージョン!

細かい粉末なので、刻みくるみより滑らかに、ふんわりと仕上がります。香ばしいピーナツの香りがにんじんにもぴったりなので、ピーナツ粉を見つけたらぜひ焼いてみてくださいね。

 

と、この夏、どハマりな予感の「発酵キャロットケーキ」。たっぷりの発酵にんじんを仕込んで、まいにち食べたい。

振り返れば、ちょうど去年の夏は、書籍作りの真っ只中。どんなに暑い日もお構いなしに、オーブンはフル稼働。来る日も来る日も試作品を焼き比べながら「さすがにこの本を出版したら、私はキャロットケーキを卒業するかもしれない」と、ささやかな不安が頭をよぎる瞬間も正直あった。しかし、また新たにキャロットケーキにときめく夏がやって来るとは。夏なのに!暑いのに!きっとこの夏もオーブンを止めることはないでしょう。本当に、まいにち食べてる、キャロットケーキ・・urara