発酵にんじんのレシピ

発酵にんじんのレシピ

お砂糖なしでびっくり甘い、発酵にんじんを召し上がれ

“発酵“と聞くと胸が高鳴る。ウェルカム、知らない菌とフレッシュな栄養!からだの中の細胞がぴちぴちと喜び出し、歯車が巡り出して、新しいじぶんに生まれ変わる・・・と、脳内では壮大なイメージ映像がキラキラと再生される。

だから、発酵のよく進むこの季節は、毎年、発酵まつり。ぬか漬けに発芽玄米、梅酢、トマト麹に発酵ニラダレ・・・。からだに良いだけではなく、なんといってもそのおいしさ。シンプルな材料が、魔法にかかったようにうまみたっぷりに変身する、THE発酵マジック。

食べるたび「日本人に生まれてよかった〜!」と心底しあわせを感じる。

そんな時、ふと「人参を発酵させたらどうだろう」と思いつき作ってみた、この「発酵にんじん」。大して期待もせずに、作ってみたところ・・・

なんてこと。驚くほど、おいしい!そんな不意打ちの感動をスイッチに、「発酵にんじん」の研究がスタート。色々な方法、道具、分量で発酵を比べてみました。総じて大きな失敗はなく、とても簡単でどれもおいしい。

誰にでも試しやすいレシピになりそうと期待にワクワクしながら、ひとまず基本のレシピが完成!

とにかく、びっくりするほど、甘い。そしてため息がでるほど、やさしくまろやか。

発酵なので「酸っぱい?」「麹のクセがある?」「お酒っぽい?」と思う方もいるかもしれません。でも、酸味やクセはなく、とっても食べやすい。にんじん、麹、レーズンの三位一体化した、濃厚な甘み。くわえて、発酵パワーまで秘めていると思うと、たまらなく愛しいおいしさです。

豆乳ヨーグルトに、くるみとココナッツをぱらり。夏の日の朝ごはんにもぴったり。

シナモンも振りかけたらキャロットケーキ味になるね。

そしてもちろんキャロットケーキも変身。とってもおいしく焼けました。しかも、オイルもお砂糖も、ゼロ、グルテンフリー。ケーキのレシピは次回ご紹介します。

それでは、まず発酵にんじんのレシピを。必要な道具は、発酵をさせる「炊飯器」。そして「ミキサー」や「ジューサー」「フードプロセッサー」があればOK。あるいは「おろし器」をお持ちなら、とっても簡単作ることができます!

「発酵にんじん」のレシピ

まずは材料を用意します。どれもスーパーで買える身近なもの。

米麹は使いやすく保存しやすい「乾燥麹」で作ります。にんじんは大きめ1本の分量をご紹介。にんじんの重さに応じて、他の材料の分量を計算します。にんじんは皮ごとカットしてから計量するのがポイントです。

「発酵にんじん」の材料

□カットしたにんじん 150g

□乾燥米こうじ 50g(にんじんの重さの1/3)

□レーズン 50g(にんじんの重さの1/3)

□浄水  100g(にんじんの重さの2/3)

□塩 2g

 

にんじん1:麹1/3:レーズン1/3:水2/3&塩はにんじん1本につき2g

材料はこの比率を覚えると、繰り返し作るときにスムーズです。

発酵にんじんの作り方

①にんじん、米麹、水、塩をミキサーにかける

ミキサーやブレンダー、あるいはフードプロセッサーに、にんじん、麹、お水、塩を入れて、よく撹拌させます。途中、中身をかき混ぜながらムラなく撹拌。にんじんの水分量や、使う麹のタイプに合わせてお水の量が足りないようであれば、大さじ1ずつ、増やしてください。お水が足りないと発酵が進みづらいので要注意。

こんな感じのなめらかさになるとGOOD。フードプロセッサーだともう少し荒めの仕上がりに。また、すりおろし器を使う場合は、すりおろしたにんじんに、麹と水を混ぜましょう。(麹は刻まずそのまま)。使う道具によって仕上がりの粒感に差は出るものの、水分量が適切であれば甘くて美味しい「発酵にんじん」が作れます。

②ガラス瓶にうつしレーズンを加える

ガラス瓶の中に、①と、レーズンを入れて、かき混ぜます。レーズンはオイルコーティングしていないものを選びましょう。

オイルコーティングされている場合は、お湯でオイルを落とし、水気を拭き取ってから使ってください。

③炊飯器で発酵させる

材料を全て混ぜ合わせたら、レッツ発酵!あとは時間がおいしくしてくれます。炊飯器の「保温」のスイッチをON、炊飯器の中にまずは1枚の布を座布団のように敷き、ガラス瓶をのせます。さらにもう1枚の布でやさしくガラス瓶を包んで。炊飯器の蓋は開けたまま、60度で6~8時間ほど発酵させます。ヨーグルトメーカーや発酵調理器があればもっとラクですね。

ちなみに私はWECKのガラス瓶の1リットルサイズを愛用。乾燥せず、優しく熱が回る感じと、プラスチックを減らせるところが好きです。お手持ちの耐熱のガラスボウルや、耐熱のプラタッパーでも、炊飯器のサイズに収まればOKです。

 

④完成!

8時間ほど発酵させました。レーズンの色が薄くなり一体感を感じる見た目。ほんの少し、お味見。しっかりとした甘みを感じたら完成です!しっかり発酵していると、ジャムのような甘みに変身。発酵前のペーストもすこし味見しておくと、この変化にきっと驚くはず。(あ、味見しすぎると、キャロットケーキにするときに、分量が減ってしまうので注意を!)甘みが足りないかな?と思ったら、スプーンで全体を軽くかき混ぜてから、発酵時間を長くします。

 

ちなみにこちらはフードプロセッサーバージョンです。

にんじんが荒めのタイプ。にんじんの食感、歯応えを楽しめてこれもアリ。にんじん好きさんにはオススメです。クリチと一緒にトーストに乗せても100%おいしい! 

⑤冷蔵庫で保存

完成したら、冷蔵庫で3日ほど保存できます。冷蔵庫の中でもじんわり発酵は進むのでお早めにどうぞ。

※冷凍するとにんじんの食感が変質するのでオススメしません。

 

キャロットケーキと出会い、約6年。円満ながら、少々マンネリ気味だったにんじんと私の関係。しかし、思わぬところから、にんじんの新しいおいしさとの出会い!そのよろこびに、1人、密かなときめきが止まらない。このときめきと栄養よ、誰かのハートと細胞に届け!

と、この興奮は「発酵キャロットケーキ」につづきます。できあがった発酵にんじんと、米粉、卵、くるみ、スパイスに重曹をご用意してお待ちくださいね。see you! urara