シルバーラビリンスで見つけた宝物

シルバーラビリンスで見つけた宝物

タスコの街で過ごした数日間。コラソン(ハート)を見つける宝探し。とっておきの、ときめくシルバーコラソンが見つけるまでのマイMAP。

(前回のコラムはこちら


とにかく町中に無数のシルバーショップがあるタスコ。でも、いくらGoogle Mapを見ていたって、欲しいものは見つからない。

旅をするたびに気づくこと。本当の手がかりはいつだってネットにはのっていない。自分の足で、体当たりで探すしかないのだ。

ホテルで理想のハートのデザインイメージを紙に描き起こし、翌朝その紙をにぎりしめ、町中を歩き回るった数日間。Googleで調べたスペイン語を添えて。

そんな冒険の道中、私が手に入れた宝物を紹介します。

ぷっくり、きらりん。小さなハートのネックレス。

ひとつ前のコラムで書いた、シルバーマーケットで出会った職人さんに、作ってもらった小さなハートのネックレス。滞在中、毎日少しずつ納品に届けてくれたもの。シンプルでキュートなハートが、ほどよくエレガンス。いい意味でメキシコっぽくない、東京っぽいハートに出会った。


デコラティブなメキシカンコラソン。

ありそうで、なかなか見つからなかった、THEメキシカンテイスト!なコラソン。シルバーの黒ずみや経年の感じからも、一昔前に作られたものと想定する。90年代の気分が詰まっているような。羽の生えたハートや天使にお花。too muchなモチーフが、今の気分になんか、合う。今こそ、自由な翼が欲しい。

Romantic Foodiesなペンダント。

シルバーショップで発見した、理想的なフォルムのコラソン!ころんとまあるい、ぷっくりハート。さらに、刻印を施してオリジナルのペンダントヘットができました。

地元の工房にお願いして、試作を繰り返して出来上がったもの。スペイン語の通じない私にも嫌がる顔ひとつせず、手書きの指示書をじっくり理解し、細かなデザインの調整も応じてくれた職人さんに感謝。メキシコ人って実は本当に真面目(実は世界でも労働ランキング3位。働き者の国なのです)。

天然石のコラソンリング。

路地裏で見つけた天然石のハートのリング。小さな工房のアーティストが手作りしたリング。このリングが誰かの指に届くことを願って、ほんの少しだけど買い付けました。

おまじないみたいな、モチーフピアス。

小粒のモチーフにときめく、シルバーのピアス。駄菓子のおみくじチョコを思い出す楽しさ。小さな夏の夢みたい。そんな気分をデザインにして届けたいな。と、アイディアにワクワクしながら選んだもの。アクセサリーと一緒に届けたいのは、そういう気分。これこそ、私が作りたいもの。夢。ちっちゃな夢。

キラキラシルバーなDreamy Journeyな旅のお土産は、
こちらのコレクションに。

Dreamy Summer Collection

自分と、大切なひとへ。お土産を選ぶ気持ちで買い付けたアイテムです。

実販売では中目黒蔦屋書店様のポップアップにて、ほんの数種類だけ、限定数販売予定です。詳細はインスタグラムにてお知らせします。


おまけのお土産ばなし。世界にひとつのペンダントヘッド。

ここからはおまけのお土産ばなしです。

非売品、いちばん思い出になったペンダントヘッド。タスコの街の最古の職人、フランシスコさんに頼んで、Romantic Foodiesのロゴを手彫りしてもらったもの。世界にひとつ。


彼に出会うまでのストーリーが嘘みたいな冒険だった。まるでドラクエみたいに。

タスコの街で過ごし、シルバーショップの傾向もわかってきた数日目。似たようなデザインを眺めることに段々と飽きてきた。ショップでは出会えない「何か」を見つけたい。ふと思い立って「手彫りの刻印をできる職人を探している」とスペイン語のメモを紙に書いた。そのメモを握り締め、街へ出てみよう。

ピカピカの高級シルバーショップには手がかりはなさそうだ。路地裏に潜むローカルな銀細工工房を見つけ、扉を開いた。工房は職人の男性がたくさん、熱心に働いている。ここなら手彫りもできそう?と期待を高まりと声をかけ、メモを手渡してみる。しかし、答えはNO。なんと「この街で、手彫りができる職人はもう一人しかいないよ!」とのこと。

「彼の名前はフランシスコ。町中の誰もが知ってる。1時間街を歩いてりゃきっとその辺で出会えるよ」と、教えてくれた。「こんなふうに歩いてるから、きっとすぐに分かるゼ」とモノマネをする様子を見て、彼が老人であることは理解した。ひとまず、紙に「フランシスコ」の名前を書いてもらい、その紙を持って広場へ出る。

キョロキョロする私を見て、ちょっと怪しい中年男性が話しかけてくる。No Thank youと断るも、一生懸命の男性。はじめは警戒したが、本当に手助けをしたかったみたい。とにかく、この街のひとはみな優しい。

途方にくれて歩きながら、路地裏にまた、いい感じの工房を見つけた。ローカルのお客さんで賑わう店内。明らかに場違いな日本人の私。ひるまずに、フランシスコの名前が書かれたメモを見せる。すると「知ってる、知ってる!」と盛り上がり、みなすぐに笑顔になった。スペイン語が飛び交うも、詳細を理解できない。ぼけっとしていると、職人の一人が立ち上がった。「Let's Go!」と。なんと!彼の家まで案内してくれるという。

工房を出て職人さんのあとをついて、坂を登る、登る、登る!山間の街タスコの急坂は半端ない。一体あと何分この坂を登るのか?不安に思いつつも、もう引き返せない。
10分ほど坂をのぼったかな。見晴らしの良い坂の途中にある、家に着いた。フランシスコさんはあいにくの不在だったけれど、すぐに娘さんが彼に電話をかけてくれた。案内をしてくれた職人さんに深く感謝を伝え、見送り、しばし庭で彼の帰りを待つ。庭にはザクロの木。おばあさんと、娘さん。そして孫ふたり。スペイン語しか通じないけれど、ノートに絵を描いたり字をかいてみたりして、楽しく過ごす。

戻ってきたフランシスコは、想像以上だった。ジブリの映画から飛び出してきたようなおじいさん。さらに、ミルクティー色の毛並みに、ブルーの瞳の猫まで隣にいるじゃないか。庭に建てられたボロボロの工房に招いてくれた。椅子に座りながら、彼の仕事を見つめる。猫が足に絡みついてくる。

彼は私のラフスケッチの筆記体のロゴに苦戦し、さらに、慣れない英語のスペルにも苦戦。1時間ほど苦戦して、諦めた。「明日の10時までに作っておくから、またきてくれ」とのこと。ご老体にはちょっとハードなお願いをしちゃったかなと思いつつも、予期せぬ出会いが嬉しくてたまらない。

見送ってくれたお孫さんたち。

翌朝10時。時間きっちりに再び彼の家を目指して、坂を登った。彼は私を見るなり、赤い薄紙に包まれたハートのペンダントヘットを手渡ししてくれた。そこにはちゃんと、ROMANTIC FOODIESの文字が刻まれていた。

感謝を伝えたくて、前の晩に書いておいたスペイン語の手紙を渡した。手紙を丁寧に読んでくれて何か言ってた。またいつか来てね、って多分言っていたと思う。「お金はいらない」と言われたけれどチップを押し付けて別れた。急坂を下り、タスコの景色を見渡しながら、深く、満たされた気持ちになる。ああ、ときめきで、おなかいっぱいだ!

ここでしか得れない、ときめき。その未知なる味を知りたくて、旅をしているのかも。三度の飯より、ケーキより。思いがけず、誰かにもらったやさしさとか、親切とか。何よりも、宝物かもしれない。

タスコの街でみつけたときめき。このネックレスはあげられないけれど、そのほかにも私のときめきをたくさん仕入れてきました。ときめきを溶かしてハートの形にしたみたいなキラキラのシルバーハートがいっぱい。

うんざりするほどの暑い夏に、軽やなきらめきを添えてくれるはず。素敵なあなたに届きますように。

urara