じぶん好みの発酵チェー

じぶん好みの発酵チェー

ベトナムのぜんざい Chè「チェー」をヒントに。自家製チェーをつくる。

 

この春、ベトナムで出会ったチェー。

ベトナムのスイーツといえば、チェー。日本でいうぜんざいのような食べ物。
甘く似た豆や寒天、フルーツやココナッツシロップなどトッピングはさまざま。昆布のような海藻の入っているチェーに出会い、スイーツの概念がガラっと変わった。
これまで実は食わず嫌いのひとつだった、アジアンスイーツ。でも、ひとたび勇気を出して飲んでみたら、なんだか無性に気になり出した「チェー」。ことばの響きも妙に魅力的。かわいい、ヘルシー、おいしい。三拍子そろったチェーの魅力を探るべく、プチ研究のはじまり。

ベトナムのプリン「バインフラン」のチェー。

ホーチミンのレストラン、デザートで頼んでみたフランのチェー。ドーンと大きなプリンがIN!ほぼプリンだ!グラスに入ってたらなんでもチェーなのだね。チェーの定義は広いと知る。

仙草ゼリーがぷるん、ヴィーガンカフェのチェー。

小豆と閃草ゼリーと芋餅にココナッツアイス。台湾のスイーツを彷彿とさせるチェー。甘さはとても控えめ、からだにやさしいおいしさのホーチミンのヴィーガンカフェのチェー。
そのほかにもホーチミンでおいしいチェーを探してみるも、なかなか見つからない。手作りの昔ながらのお店はどこも閉店してしまったみたい。ちょっぴり不完全燃焼なきもちで東京へ帰り、引き続きチェーをリサーチ。

東京で飲める!あたたかいお芋のチェー。

そういえば、チェーの専門店が近所にあった!Che 333のあたたかいお芋のチェー。冷たいチェーは夏季限定で今はやってないそう。ココナッツミルクにお芋の甘さのやさしさコンビ。白玉もやわらかく、ほっこり。

新宿高島屋で「モーモーチャーチャー」。

新宿の台湾茶カフェでみつけた、アジアのおしるこ「モーモーチャーチャー」。
このかわいい響き「モーモーチャーチャー」はマレーシア語でごちゃ混ぜのしるこ、という意味だそう。ココナッツミルク、白玉、タピカオ、そして里芋!里芋の意外性がいい感じ。

横浜で見つけた、香港カフェの「マンゴー入り芋園」。

ディープ横浜、伊勢崎町でたまたま見つけた香港スイーツ専門店「九龍」のマンゴー入り芋園(ユーエン)。ユーエンは台湾のおやつでさつまいもや里芋を練ってるくるお団子。タピオカの小ささが香港な雰囲気?
と、いろいろなアジアンなぜんざいをめぐりながら、自分でも作ってみた。urara流。チェー。

いろとりどりの豆でつくる、自分好みのチェーづくり。

定番の小豆だけじゃなく、いろとりどりの豆を甘く煮る。いんげん豆、金時豆、花豆。どんな豆でも煮方はそんなに難しくない、水に戻して差し水たっぷりに茹でるだけ。豆が煮えてから好みの甘味をつければOK。いつもの小豆の炊き方と同じ感覚で気軽に炊いたアジアンな甘い煮豆。(小豆のレシピはこちら
甘みはラカントで糖質ゼロでヘルシーに仕上げてみた。

自家製のココナッツシュガーのところてんをトッピング。

仙草のゼリーの代わりにおもいついたのが、ところてん。去年の夏ハマりまくったところてん。(レシピはこちら)生姜を一緒に煮出し、ココナッツシュガーで味付けをしたら臭みがなくなり、とってもおいしくできた。

白玉と、甘酒をトッピングしてできあがり。

グラスの一番下にところてんを入れて、冷凍解凍の自家製白玉をトッピング。いちばん上に豆をたっぷりのせて。シロップがわりに甘酒をかけたら最高の栄養価!

発酵のあまみでつくる、自由なチェー。

ホーチミンにも、日本にも存在しない、私のための世界にひとつのチェーのできあがり!ほかの誰かがみたらきっと謎めいた一杯だろう。でも、今日のわたしは、こんな素朴なチェーが、食べたかった。

ホクホクの豆、豆ごとの食感の違いが楽しい。どんな豆も、甘く煮たらそれだけで立派なスイーツ!

久々に天草を煮出してつくったところてん、久しぶりに食べると、やっぱりおいしい。ちなみにシロップがわりに使った甘酒は、アンテナショップで買った福井県の蔵出し甘酒。

緑豆のあたたかいチェー。

冷たい風が吹き続ける3月、あたたかいチェーも作った。戻しが必要のない緑豆は気軽にいつでもぜんざいが作れる。白はなびら茸も一緒に茹で、焼いたお餅といっしょに浮かべる。アジアンスイーツを食べ慣れると、きのこだって立派なスイーツトッピング 。

気前よく大粒のあまおうだってのせちゃおう。チェーって、自由!

そんなこんなで、アジアのスイーツへの好奇心が止まらない春。思いもよらぬプチブームの到来。(キャロットケーキのような憑かれるほどのブームとはちょっと違う)思いのままに遊んでみよう!と、思いつきで台湾行きのエアーをとってみた。行き当たりばったり、食いしん坊の旅、一体どこへ向かうのか。まったく分からない。分からないって、楽しい!urara