育てたくなる道具

育てたくなる道具

「美味しい」ほうを選んだら、キッチンは自然とエシカルになる。

ベーキングの道具たちは、かわいい。見てるだけでワクワクする。河童橋に通いつめ、道具を触って、試して選んだお気に入りの道具たち。

マフィンやケーキを焼きたいな、と思った時に、まず道具選びに悩んでしまうもの。ひとまずディスカウントショップで買った紙カップだったりシリコンのケーキ型を買うのも手っ取り早いけれど、私はあえて、ちょびっとハードルの高い、金属型をおすすめしたいと思います。

 

ひとめぼれした、黄金色のパウンド型。アンティークみたいなゴールドは唯一無二。歴史ある馬嶋菓子道具店さんと松永製作所さんで作られたほかには真似できない技術だそう手にした瞬間のずっしりした重みが心地よい。なんてったって、ケーキが格段に美味しく焼けるようになった。生地の中心までじんわりしっとり火が通るイメージ。この型のいいところは、「空焼き」がいらないので、ビギナーさんにも使いやすいところ。「空焼き」って聞いただけで、ナニソレコワイ!ってクローズしたくなる人にもおすすめ。届いたらすぐに、焼けます。

そしてマフィン型。こちらは「空焼き」が必要なブリキ型。左は新品。右は私が使い込んだもの。

まずは、安心してください。空焼きって、全然怖くない、とっても簡単。オーブンで高温で20分焼くだけでOK。(詳しくは説明書で)あとは、お手入れも大変なイメージのブリキ型。鉄のフライパンと同じく。「洗剤や水で洗わない」「拭き掃除」が基本です。

ですが・・・ごめんなさい。私は、生地が型についてしまったときは、水で洗っちゃってます。(クッキングシートの大きさをケチってしまうので)説明書に逆らって、不良な使い方をしているので、ちょっと錆びているところも出てしまったね。でも、サビも変色も含めて愛しいです。 

ブリキならではの軽さ、熱伝導の良さで、中までしっかり美味しく焼けるし、なんといってもこの3口サイズがちょうど良い。前に使っていたアルミのものより格段に美味しいよ!

キッチンアイテムに悩んだとき、「便利さ・手軽さ」を基準にモノを選ぶと、身の回りがプラスチックだらけになってしまう。でも、「美しさ・おいしさ」を基準にモノを選ぶと、自然とキッチンからプラスチックは減っていくことに気付く。

これは実家で眠っていた数十年前のエンゼル型と、チョコ型。時を経て、エイジングしていくものはやっぱり愛しいな。

RomanticFoodiesで扱っている製菓道具は、扱いは少し複雑かもしれない。でも、道具を育てる気持ちで、使ってもらえたら。焼くたびに変わっていく金属の色や、傷や、すこしのサビもふくめ、愛しいな、と思えるやわらかな感性を。ヨーロッパのアンティークマーケットを楽しむマダムに憧れて。日本ではスッキリきちんと暮らすことが人気だけれど、クリエイティブに作り散らかすのも、楽しいもの。そんな楽しさが、ここから広まることを願って。

urara