野菜いっぱい!ミキさんに教わるトルコ料理

野菜いっぱい!ミキさんに教わるトルコ料理

これまで、トルコ料理を食べたことがあるのは、たった一度。ロンドンの街角のローカルなトルコ料理屋さん。たくさんの野菜のデリが盛られたプレートは、キャロットケーキを食べすぎた胃袋にやさしく、ほっとするおいしさだった。

東京でも見かけることの少ないトルコ料理。日本人には馴染みがうすいけれど、実はトルコ料理は世界三大料理のひとつ。未知なるトルコ料理、いったいどんな味?

トルコの家庭の味を知りたくて。ミキさんのキッチンへお邪魔する。

とはいえ、私が知りたいのはレストランの味よりも、トルコの家庭料理の味。

このたび縁がつながり、イスタンブール在住の日本人、トルコ料理研究家の青砥ミキさんにお料理を教えていただくことに!

トルコの旦那様と結婚され、双子のお子さんを育てながらトルコで暮らすミキさん。結婚当初同居されていた、お義母様のお料理を見ながら、自然とトルコの家庭料理を習得されたそう。インスタグラムでも日々の食卓、レシピが素敵です。

そんなミキさんの著書、「うちで作れる やさしいトルコごはん」

今日はこちらの書籍から、4品のレシピを教わりました。

意外にもヘルシー!野菜のおいしい国の、野菜たっぷりトルコごはん。

今回は「野菜たっぷりのトルコ料理が食べたいです!」と、私のリクエストを汲んでいただき、野菜料理を習います。おしゃべりをしながらの楽しいレッスンのはじまり。

「トルコは食料自給率がほぼ100パーセントなんです。海に囲まれ、豊かな大地にも恵まれているから、食材がおいしいんですよ。野菜は週に一度開かれる青空市場で、新鮮なものが手に入ります。トルコ料理では野菜をとにかくたっぷり使います!日本だとケバブが有名ですが、ケバブは家庭で作るものではないんです。」

なんと!日本人が家庭で寿司を握らないように、トルコでも家でケバブを焼くものではないそう。トルコ料理のイメージががらっと変わる。では、何がトルコ料理らしさを作るのか?そのエッセンスを学びましょう!

トルコ料理の必須調味料!発酵トマトの「サルチャ」

まずは「サルチャ」。これがトルコ料理には欠かせない調味料で、色々なお料理に使います。ぱっと見、トマトソースと似ているけれど、実は発酵させたトマトペースト。

トマトが旬の夏に仕込む、トルコの季節仕事だそう。田舎の方では手作りする家庭も多いとか。

炒めた玉ねぎにサルチャを加えます。

レンズ豆を加えてスープを作ります。

ブレンダーでなめらかにしたら出来上がり。ミキさん自身も週に1度は作る日常的なレシピだそう。

トルコ料理の必須素材「特濃!トルコのヨーグルト」

もうひとつ、トルコの食卓に絶対に欠かせないというのが、ヨーグルト。なんともビックサイズ!実はヨーグルトはトルコが発祥の地だそうです。(ブルガリアではなく)

「このサイズでも1週間はもたないかな?トルコではヨーグルトをデザート感覚で食べることは少なくて、味噌のように料理にガッツリ使うんですよ」

そして特徴的なのがこのもったり感。水分が少なくてかなり濃厚!

「日本のふつうのヨーグルトを使うと水っぽくなってしまうので、ギリシャヨーグルトや、水切りタイプのヨーグルトを使ってくださいね。」

このヨーグルトとおろしニンニク、焼きナスとあえたサラダを作ります。

さてどんなお味に?ワクワク!

トルコのヘルシー食として人気!栄養満点の「ブルグル」

こちらも日本では馴染みの薄い「ブルグル」。低GIで栄養たっぷり、ヘルシーな挽き割りのデュラム小麦。だから、パンやライスの代わりにダイエット食として食べるトルコ人も多いとか。お湯で戻すだけで食べれる手軽さは、オートミールのよう。オートミールが流行った次はブルグルが流行るかな。

100%ザクロ!甘くてフルーティーなザクロソースがおいしさの決め手。

もう一つ、見慣れない調味料の登場、ザクロを濃縮させたザクロソース。スーパーでもたくさん見かけるザクロはトルコの定番の果物。バルサミコ酢の味わいに近いかも。

ザクロソースとスパイス、ドライミント、レモンと塩を少々加えて、ブルグルのサラダを味付け。

「トルコ料理は一般的に、化学調味料は一切使いませんね。素材の旨みを生かせばシンプルな味付けでも満足感がありますよ。」

そう、トルコ料理は意外にもシンプルでやさしい料理なのだった。素材を生かして、シンプルな調理法で、旬のものを料理する。これは和食にも通じるマインド。馴染みのなかったトルコ料理だったけれど、実は根底に流れるマインドは和食と同じなのだ。

そんなこんなでたくさんの野菜を料理して、おしゃべりをしているうちに、素敵なトルコ料理の完成です。

赤レンズ豆のスープ

まずはじめはスープからいただくのがトルコ流。スープから始まり、前菜、メイン、デザートで締めます。スープはレンズ豆の旨み、そして発酵トマト「サルチャ」のコクを感じる奥行きのある味わい。ミキさんが「お味噌汁のよう」と表現されるのがよくわかるほっこりしたおいしさ。仕上げにぱらりとトッピングしたのはプルビベルという、トルコの発酵トウガラシ。辛さだけでなくうまみも加わります。

ナスのヨーグルトサラダ

わ、おいしい!ハッとするおいしさ。まず、ヨーグルトの味がとっても濃い!そこにニンニクのパンチがあり、やみつきのおいしさ。さっぱりしているけれどクセになる、絶妙なバランスです。ナスだけでなく、色々な野菜でアレンジで作れるそう。

細びきブルグルのサラダ

ザクロ、ハーブ、ドライミント、レモンと複雑味あるフルーティーな酸味が爽やか。お茶会でももてなされるメニューだそう。確かに、ホームパーティーで出したい華やかな味。はじめて食べたブルグルは、クスクスよりも大粒で、オートミールよりも米っぽく、食感が好み。新たな炭水化物の選択肢としての可能性を感じるおいしさ。

いんげんのオリーブオイル煮

くたくたに柔らかく煮た、いんげんのオリーブオイル煮込み。このお料理のポイントはほんの少しのお砂糖を使うこと。和食と違い、お砂糖を使うことがほとんどないトルコ料理のなかでも、でもこのレシピだけは唯一お砂糖を使うそう。夏には冷やして食べるのもおいしいそう。作り置きにもぴったり。

おまけ。

ぶどうの葉のサルマ/ピーマンのドルマ/キャベツのサルマ

こちらは、スペシャルなもう一品。トルコ人の義理のお姉様が作られたというトルコを代表する野菜のお料理。野菜の中に味付けされたお米を入れて、煮込むそう。野菜のうまみがお米に染み渡り、おいしい!ぶどうの葉はトルコではよく使う食材だそうで、歯応えがありとっても好みだった。

ミキさんのお料理も、トルコ人のお姉様のお料理も、どちらも塩加減も絶妙。本当にやさしくて、ほっとする味わい。ちなみに、この後街中の食堂で食べたおかずはどれもしょっぱく、油が多かったな。やはり、家庭料理って素晴らしい!

やさしい、おいしい。はじめて食べるのに懐かしい。

トルコ料理は意外にも、日本人がほっとするおいしさだった。

やさしくて、新しい。はじめて食べるのにはじめてじゃない味がする。ミキさんのお料理も、お姉様のお料理も、すべての「塩梅」がしっくりくる。ミキさんともはじめてお会いするのに、はじめてじゃない感覚。不思議と懐かしくなるようなおいしさ。

「和食が恋しくなることは不思議となくて。毎日トルコ料理を食べていても、全然飽きないんです。」

毎日トルコ料理を作り続けるミキさん、和食を作ることはほとんどないという。それを聞いて初めはびっくりしたけれど、(私なら異国のキッチンで納豆を自家製発酵したりしそう)ミキさんのお料理を食べて、その理由がよくわかった。トルコ料理は思っていた以上にやさしくてシンプル、飽きることはなさそう。実は日本人が馴染みやすい味。(ちなみにミキさんはパンはあまり食べないそう。それがスリムの秘訣かな?)

デザートには バクラヴァと、姪っ子さんの手作りクッキー。

食後にチャイとハクラバもご馳走になりました。愛しいのがこのクッキー。

なんと大学生の姪っ子さんの手作り。これが想像とはまったく違う、素朴な味でびっくり。街で食べる激甘トルコスイーツとは別物!まるで私が作ったか?と思うような控えめな甘さのクッキー。

激甘トルコスイーツの国でも、この頃の若者はヘルシー思考なのだとか。これはお店のスイーツをどれだけ食べ歩いても気づけない、大発見。クッキーはマーマレードジャムがアクセントで、やさしくおいしかった。ごちそうさまです。

今日紹介したレシピは、ミキさんの著書「うちで作れる やさしいトルコごはん」でも紹介されています。野菜はもちろん、肉料理に魚料理、スイーツまで、日々のリアルな家庭料理のレシピがたくさん。日本の食材でも代用できるポイントも記載されています。東京のキッチンでも、この本を開くのがたのしみ!

ミキさんとの出会いは、この旅の最大のお土産。「郷に入れば郷に従え、ですね」と笑っていたけれど、それはなかなか簡単にできることではない。どこにいても、軽やかに、自分で生み出せる楽しみを見出すこと。それこそお料理上手の才能。キッチンでクリエーティビティがきらめき出せば、世界中どこにいても、キッチンから幸せが溢れ出す。

おじゃましました。またいつかお会いできますように。

スイーツと野菜でお腹がいっぱい。さいごのデザートは、美しいイスタンブールの魅力について。イスタンブール旅日記vol 3、つづきます。urara