6月のkitchen Noteとご報告

6月のkitchen Noteとご報告

2026年、夏。ちょっと本気で、美容の話をしてみよう。

6月のキッチン。知り合いの畑から苗ごといただいた、食べられるお花。味はすごく辛い。正直、おいしくない。でも、この鮮やかなにんじん色に運命を感じ、愛でているのだ。時に美しさは、おいしさに勝つ。

この一年。いや、もっと。「美容」について思考をめぐらさせている。42歳、もうすぐ43歳か。エイジングと向き合う年頃、まっただ中。


私は美容の専門家でもなければ、いわゆるコスメオタクでもない。そんな自分が「美容」について語るのには、気恥ずかしさもある。一方で、アートディレクターという仕事を通じて、誰よりも深く「美容」について考えてきた自負もあったりする。 広告代理店時代は、つけまつ毛やカラコンなどギャルカルチャーの中でパッケージやCMを制作したり、大企業の作る化粧品やコスメ通販サイトのクリエイティブなどを担当した。数々の美しいモデルやセレブリティを撮影し、ときにレタッチし、時代の真ん中の「美のイメージ」を社会に送り出すーそれが役割だった。

しかし、だんだんと自分のなかで「作られた美の基準を誰かに押し付けているのではないか。それによって誰かを傷つけたり不安にさせてるのではないか」という、罪悪感が大きくなり始めた。その思いが無視できないほど大きくなったとき、会社を辞めた。本当に応援したい企業の、本当に良いと思える商品だけを手がけたい。その「綺麗事」を、綺麗事のままで貫き通すために。そのタイミングでRomantic Foodiesを立ち上げ、4年が経った。

私が思う「美」について。「この先の人生で美容医療をしない」決意の理由。

はじめに、美容について、個人的な意思をここに記します。私はこの先の人生で美容医療はしない、と決めている。理由はとてもシンプル。年齢にそぐわない、人工的な造形によって作られたプラスチックのような質感の肌を、不自然だと思うから。若さとみずみずしさを放つ本当の若者の肌は心底、美しいと思う。赤ちゃんの肌は、まさに奇跡のよう。でも、その美しさは本物だからこそ。年齢を隠すように造形されたプラスチックのような肌を見ると、美しさよりも先に、張り詰めた不安を感じてしまう。

しかし、今。東京では肌がピカピカの女性がたくさんいる。同年代も、若い子も、美容医療に抵抗がない。私はシンプルに、そこに大きな違和感を感じている。価値観の違い。自分の価値観は、東京においてどんどんマイノリティになっていることを、ヒシヒシと感じる。美容医療をしたい訳ではないのに、「みんなに合わせてシミやシワ、消さなきゃだめかな」とか「医療ケアしないとみっともない、って思われちゃうかな」とか、急に弱気になることもある。

そんな東京に息苦しさを感じて、しょっちょう海外逃亡に旅に出る。

美しさの基準をストレッチするため、旅に出る。

旅先で出会う景色やひとに、日本と違う「美の価値観」を探す。

アントワープの街で見かけたマダム。日焼けも、露出も、豹柄も、年齢を重ねたからこそ似合ってる。

白髪と、白いワンちゃんに、ピンクの差し色が映えるマダム。

伝統的な民俗衣装に身を包むインドの女性の美しさ。東京では出会えない、まったく異なる美の価値観に、ふわ〜っ胸が熱くなり、ときめく。東京で凝り固まった価値観が緩み、息苦しさがすーっとなくなる。ああ、大丈夫、老いても人生を楽しむ術は、まだまだ色々ありそうだ、と、元気が戻る。

こんなふうに、旅先で、ときめきという名前の宝物を集めてる。

シミを消すのに数十万円払うなら、シミが増えてもいいから、旅に出たい。

もし私が今億万長者になっても、美容医療はしないだろう。世界中を旅しながら異邦人を続け、誰からもジャッジされない生き方も楽しそう。そんな、共感の薄そうな価値観を持っている。しかし、しばらくは、東京で暮らしていかなきゃいけない。

気を抜くと後ろ向きになりがちな東京に生きるからこそ、必要なモノを作りたい。グレイッシュな東京で、ご機嫌に生きいくために、必要なもの。それをRomantic Foodiesというショーケースに入れている。

Romantic Foodiesのプロダクトポリシー。「ファンデを塗らない肌に似合うもの」を、作る。

素肌に似合うもの。素肌が映えるもの。それは、キッチンを舞台にするRomantic Foodiesの密かなプロダクトポリシーでもある。

メキシコで見つけた、肌心地のよいメキシカンシルバージュエリー。

インドを冒険して手に入れた、花柄のドレス。

とびきりロマンチックで軽やかな、インドコットンのパジャマ。

東京の帽子職人さんに作ってもらった、美しいコットンハット。

このハットは、まさに「すっぴんで生きたい」の願いを形にした、思い入れの深いアイテム。「猛暑で日焼け止めも溶ける夏に、うんざりしていても、すっぴんでも、ときめきを捨てたくない」。そんな欲望をカタチにして。

「こんな派手な赤いハット、みたことないけど大丈夫だろうか?」と不安を抱きながらも、コンサバな黒いハットはRomantic Foodiesで作る意味はないよね、と生地を選んだ。完成品は想像以上に顔なじみがよく、さっとかぶるだけで口紅をさしたみたい。

ちなみに彼女はモデル兼デザイナーのnamiko。思えば、彼女と私の対話は、いつも何かしら「思想」について話している。デザインの具体や、ファッションのトレンドの話より、生き方について、話している。「私はこんな風に生きたい」と語れば、その個性強めな情熱をフラットに受け取り、不思議と誰にでも似合うようなプロダクトに昇華させていくデザイナー。彼女はそんな、特殊な魔法使い。

ちなみに私は彼女のそばかすと、白髪を生かした黒髪が、とてもおしゃれで素敵だなと思っていて、いつもRomantic Foodiesのモデルに彼女を起用している。

誰かを年齢で区切らずに。「心に花咲くもの」を届けるために。

と、ここまで、少し長くブランドについて話してみました。(急に敬語)

もうひとつ、私のこだわりを話させてください。

私はRomantic Foodiesを年齢でカテゴライズしたり、ターゲット分析をしたり、いわゆる、マーケティング的なことを一切しません。人間をジェンダーで分けて、さらには20代、30代、40代、50代と分け、ロジカルに計算することは、正しいことなのかもしれない。けれど、私自身が、「年齢の枠」の中に閉じ込められたくないから。

そして、喜ばしいことに、Romantic Foodiesには年齢を問わず、Romantic Foodiesなかたが集まってくださっている。それぞれの遊び方で、遊んでくださっている。組織にいたら怒られそうなやり方で選んできたRomantic Foodies。4年も続いていることに、改めて、感謝しかありません。

そして、2026年、7月。Romantic Foodiesでコスメの取り扱いを始めます。

最後に、ご報告です。来る7月、新たなプロダクトをお届けします。ズバリ、コスメです。すべてのRomantic Foodiesなあなたへ、心からお届けしたいと思えるものが完成しました。


20代から一緒にコスメづくりをしてきた縁のあるチームで、長い時間をかけ、やっと完成した商品です。私はパッケージデザイン、そしてブランドデザインを手掛けました。

ただただ、素直に、Romantic Foodiesに集ってくださるみなさまに、お届けしたい、使ってほしい、と思えるコスメです。発売は7月7日。やっとみなさんの肌に、この子が届くことが嬉しくてたまりません。

長くなりそうなので、また次回につづきます!urara