ジェラートを選ぶように、色を選ぶ。

ジェラートを選ぶように、色を選ぶ。

「自分らしく生きよう!」なんて大人やメディアはさも簡単に言うけれど、そんなカンタンなことじゃないよね、正論ぶつけやがって。と、思う。もはや私も立派な大人だが、いまだにそう思う。

振り返ると、20代、30代はいつも「自分らしくあるべき」にとらわれて、身動きが取りづらかった気がする。他人の真似をせず、誰にも似てない誰かになりたい。でも考えるほど頭でっかちになり、どうしたらいいかわからない。40を過ぎてもその悩みが消滅することはなく、思い描いていた大人にはまだまだなれない。

でも。

自分らしさがよく分からなくなっても、自分の食べたいジェラートの味はきっと誰だって選べるはず。ずらっと並ぶ、50種のジェラートを頭にの中に思い浮かべて。さあ、何を選ぼう?そんな妄想にワクワクできるなら、大丈夫。元気ってこと。というか、それでじゅうぶんだ。


色とりどりの中から、自分を見つける。それは、世界一しあわせな悩みかも。

言葉ではなく、感性で、自分を見つめる。

そんな魔法の力がRomantic Foodiesにはあるんじゃないかなと気づいた。

ポップアップの店頭で、「どの色にしよう?」と迷うお客様を眺めながら気づいた。

色とりどりの選択肢を前に、夢中で自分にいちばん似合う色を選ぶ。それは、ただ色を選ぶ、というよりも、色の洪水のなかで、自分らしさを探して漂っているみたい。ゆらゆら、ふわふわと。

1日のうちで、自分のためだけに割ける時間はそう多くはない。でも、自分に似合う色を選んでいるその最中は、まっすぐに自分のことを考えているはず。しかも、言葉ではなく、感性で。それってとっても贅沢な時間、セルフラブな時間じゃないか。

持つ人に、すっと馴染む、不思議なバッグ。

インドで見つけてきたときめきのブロックプリント。伝統と文化、そして描く人の自然への愛あって生まれる、美しい絵柄。日本では決して出会えないもの。

不思議なことに、どんなに派手でも、選んだ人にすっと馴染む。やわらかで透明感のある生地感もあるのかも。「似合わないから選べない」じゃなくて、「どれも似合って選べない」という感じ。似合う人を選ぶ、「エスニック柄」とはちょっと違う。

去年の夏。生地を探しに旅した、インドでの日々を思い出す。異国の生地屋の真ん中で、私はひとり、ときめきパニックに陥っていた。かわいい!かわいい!かわいい!

あの日、夢中で選んだ色とりどりの生地は、かわいいバッグに変身して一つ一つ、誰かの元へ旅立っている。私のときめきが伝染していく。店先でお客様を見つめながら、密かにその達成感と幸せに浸っている。

さて、次のときめきを仕入れに、行かなければ、とまた無計画に飛行機のチケットを衝動買いする。無限に選択肢を増やし続けるのだ。ありきたりなカラバリのなかに自分を無理に押し込むなんて、つまらないから。

What's Flavor Are You?
Romantic Foodiesにはいつも、とびきりのカラフルをずらっと並べたい。あ、ソフトクリームキャップの新フレーバーもちょっと欲しいな。そんな初夏のときめきを見逃さないように、メモ代わりにうさぎを描いておこう。

urara

 

 

 

 

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