ストックホルム旅vol.1 こどもと夏のスウェーデンへ

ストックホルム旅vol.1 こどもと夏のスウェーデンへ

こどもとめぐる、夏のスウェーデン。

暑すぎる東京から、いっそ、逃げ出してしまおうか?そんな思いつきで、航空券のサイトを開いてみると、3週間後のスウェーデン行きのチケットが偶然にも二席、空いていた。その偶然に導かれ、急遽決まった親子旅。9才の娘と、はじめての二人旅。

旅の始まりはいつも突然!(無計画と無謀さが特技です)

羽田からスルッと13時間のスムーズ旅。

ストックホルムへは羽田から直行便で13時間。乗り継ぎなし、子連れ旅は負担が少ないことが何よりも行き先の決め手。9才は、飛行機の中の機内食も映画もたっぷり楽しみ、あっという間に空港到着。イミグレの行列も子連れは優先案内、審査員さんも優しかった。さらに、空港から市内までは、特急電車でたった18分。サインデザインもすべて見やすく、スムーズで、すでにスウェーデンクオリティを感じる、旅のはじまり。

海と、花と、緑が溶け合う。世界一美しい街、ストックホルム。

ストックホルムの美しさ。それは動画や写真では伝えにくい。

華になるメインスポットがあるわけではなく、街全体、360度、どこを見渡しても美しいのだ。

どこを切り取っても、お花がある。

緑がある。

すべての植物が、とても丁寧に手入れされている。

そして、古い建物が多く残る街並み。

スウェーデンは200年以上戦争をしていない、だから、多くの建物が美しいまま残っているそうだ。

街を歩けば、いたるところに、心地いいベンチがある。建物の壁の色もカラーパレットが法律で定められていて、街全体が調和した色合い。

公園には楽しそうに遊ぶ、保育園児。

かわいいうさぎを発見。街にはアートもいっぱい。なんと、アートの設置も法律で定められている!

カラフルだけど上品な、北欧らしい色使いの歩道。かわいい。

ただ、この街を歩いているだけで。

ストックホルムは華やかな観光地ではない。住む人のための街。すべてが心地良く暮らすのためデザインされている。だから、ただ、街を歩いているだけで、他の国では味わえない種類の、特別な心地よさに包まれる。

「世界一子育てがしやすい国」「高齢者が住みやすい国」としても有名なスウェーデン。それはどうやら本当に、本当らしい。一方、税金の高さも有名だけれど、こんな素敵な街に住めるのなら、喜んで税金を払いたいかも。

そんな、スウェーデンの素晴らしさを前に、ガヤガヤした東京の街を思い出して、うっすら絶望してしまう。日本がスウェーデンの上部を真似しようとしても、到底真似しきれない、歴史の重厚さ。歴史があり、風土があり、この国の美意識が完成している。

スウェーデンが200年も戦争をしていないからこの街が綺麗なんだよ、と、9才の娘に話伝えてみた。一方、これからの日本は戦争をしてしまう危機にある、ということも。

すると、「大丈夫だよ、恋愛して大切なひとができたら、きっとみんな戦争もやめようって思うから。」と、思いがけないほどドリーミーでガーリーな答えが返ってきた。どこからどんな情報を得て、どんな思考回路でその発想が生まれたのだろう。謎だ。「まだ9才」と思っていたけれど、「もう9才」なのだ。

あと少しで終わりゆく子育てに寂しさを感じながらの日々。旅の間だからこそ、ふだんの習慣をちょっと変えてみよう。

夜の読書と、デジタルデトックス。

こどもがNetflixを見る傍らで、私もスマホやパソコンを開くのが東京の夜のルーティーン。でも、せっかくの旅。動画の時間を読書の時間に変えてみた。持ってきた本は「長靴下のピッピ」。スウェーデンを代表する児童文学。実はこれまでちゃんと読んだことがなかった。

とはいえ、読書があまり好きではない9歳の娘が1人で集中して読むには、少し難しい一冊。重い腰を上げ、読み聞かせスタイルで。ると、なんて面白く、すばらしいお話なのでしょう。破天荒なピッピに驚き、笑い、楽しみながら、毎晩少しずつ物語を読み進めた。

ピッピと一緒に、絵本の世界へ。

こちらは、ピッピをはじめスウェーデンの絵本の世界を体感できる小さな遊園地、「ユニバッケン」(Junibacken)にて。

赤ちゃん〜幼稚園くらいまでの子ども向けのテーマパークだったので、少しこどもっぽいかな?と心配したけれど、想像以上に楽しんでいた。

ゴンドラに乗ってミニチュアの絵本の世界を旅するアトラクションが、とても素晴らしかった。(日本語音声もありました)

写真では伝わりにくいのだけれど・

ひとつひとつ丁寧に作られた世界。五感のすべてを使い、ゆっくりと、絵本の世界に入り込む、温かいファンタジーの時間。

とても、よかった。

可愛らしい、ユニバッケンの空間。大人が見てもワクワクする。上質なファンタジーには、年齢制限はない。

すべて、こどもの目線で。

こちらは「スカンセン」という動物園にて。こどもだけしか入れない小さなトンネルは、穴の下からウサギに出会えるデザイン。

こどもの目線で楽しめるしかけがいっぱい。

絵本やぬいぐるみでしか見たことのなかったブラウンベアーにも出会えた。のんびりお腹をかいて日向ぼっこをしていた。かわいすぎた。

スウェーデンの環境デザインは、こどもが楽しめるしかけでいっぱい。

想像力の引き出しを開けること。

子どもを夢中にさせたり、楽しませることは、簡単だ。ゲームや動画を与えれば、子どもは受動的にずっとそれを消費し続ける。でも、もう一歩能動的に、子供が自らその引き出しを開けて、想像力を花開かせるためには?

その答えやヒントが、この街には散りばめられていた。

スウェーデンの環境デザインから、学ぶこと。考えること。

ちゃんと子育てできているだろうか?

子どもを退屈させてないだろうか?

自分の設定したルールが、悪影響を与えてないだろうか?と不安になれば、緩めたルールがやはり悪影響を与えないだろうか、と不安になる日もある。

夫婦でその答えをめぐり喧嘩する日もあれば、SNSを開けば子育て論の炎上を目にして落ち込む日もある。

そもそも、東京で子育てをすることへの、疑問。日本という国家そのものへの疑問。未来へのモヤモヤ、簡単には解決できない問いかけは、無限に浮かんでくる。

こどもを育てることは、未来を見据えて暮らすこと。でも、未来はいつも見えなくて不安が尽きない。地球環境も、政治も、目を見開くべきか、それとも目をふせて気付かないフリをするべきか。 グレーに生きるのが苦手なわたしは、定期的にその問いかけにぶち当たり、息苦しくなる。そしてヒステリックを起こすのだから、家族にとってはとんだ大迷惑なのだが。

でも、たぶん。今、親として、すべきことは、ひとつ。ただただ目の前にいるこどもを、見つめること。今日だけ、この瞬間のきらめきの美しさを焼き付けること。

夏の暑さと忙しさに追われ、能面のような顔とボヤけた視界で、生きていた東京を逃げ出したからこそ気づけたこと。

自然に満たされると、考えすぎな心が柔らかくなれるんだな。デジタルデトックスが必要なのは大人の私だね。

次回に、続きます。urara

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